眼精疲労について

眼精疲労とは?
目の疲労感、痛み、かすみだけでなく、全身にも疲労、頭痛、肩こり、吐き気などが現れ、睡眠を十分にとっても改善しない状態を一般的に眼精疲労といいます。最近では、パソコンやスマートフォンなどを長時間見続ける機会も多く、眼精疲労を発症する方も増えてきています。

新型コロナウイルス感染症の対策として不要不急の外出を控えるようになり、生活スタイルが変わった現在、仕事や授業にはパソコンが欠かせません。また、休日などプライベートにおいても屋内で過ごす時間が大幅に増えました。
眼精疲労の症状
▽目に現れる症状
・目の痛み
・かすみ、ぼやけ、ピントが合わない
・まぶしさ
・充血
・乾燥

▽身体に現れる症状
・頭痛
・肩こり
・吐き気
・めまい、ふらつき
眼精疲労の原因
眼精疲労の原因は1つではなく、目や全身の病気に関連した病気もあれば、心理的環境的な要因によるものもあります。

①目に原因があるもの
・遠視、近視、乱視などの屈折異常によるもの 
・斜視によるもの
・眼鏡の度数の左右差が大きい場合
・さかさまつ毛、結膜炎、角膜炎、ドライアイ、緑内障によるもの

②全身に原因があるもの
高血圧、低血圧、糖尿病、バセドウ病、貧血、自律神経失調症、月経異常などさまざまな病気で眼精疲労が発生します。

③精神的なもの
ストレス、心身症、神経症なども眼精疲労の一因となります。

④環境的なもの
紫外線や赤外線、過度の照明などの光刺激によるものがありますが、近年ではパソコンやスマートフォンなどの画面を長時間見続けることによる眼精疲労が増えてきています。

眼精疲労の検査・診断
視力検査、眼圧検査、調節検査、視野検査、眼底検査などの眼科検査で原因を除外していきます。目に原因がないと考えられる場合は、全身検査を含めて前記した原因の精密検査をおすすめします。
眼精疲労の治療
眼精疲労の的確な治療は、その原因によってまったく異なるため、原因追及が最も重要です。
眼精疲労は十分な睡眠をとっても「眼の疲れ」が改善されない目の病気の一つです。その裏にはさまざまな疾患が隠れている場合もあるため、放置せずに眼科を受診することをおすすめします。
少しでも気になることがあれば、医師またはスタッフへお申しつけください。
「目に負担がかからない作業環境」とは?
・部屋の明るさ
最も目が疲れにくいのは、モニターと手元の明るさが同程度のときです。明るすぎず暗すぎず、ちょうどよい加減に調整しましょう。

・空調
風が直接目に入ってくるようだと、どうしても目が乾きます。ドライアイは眼精疲労に繋がりますので、作業をするときは、エアコンの風が直接当たるような場所を避けましょう。

・モニターとの距離
モニターとの距離が近すぎる場合にも目に負担がかかり、疲れてしまいます。目に優しい距離は、だいたい40cm以上です。適切な距離を保ちましょう。

・目線
モニターを見る目線も重要です。ちょっと下あたりを見るような感じが一番自然な角度で、目に負担がかかりません。モニターは目線が少々下向きになるような位置に置けるとよいでしょう。

・時間
長時間継続して目を使うのも、眼精疲労の原因となります。1時間ほど作業したら、必ず10分は休憩していただきたいと思います。ただし、休憩だからといってスマートフォンを見たりタブレットを見たりするのは、結局目を使っているので、疲れが取れません。休憩時には目を休めたり、遠くを見たりして、工夫しながら過ごしましょう。